40代になり職を失い父の脳腫瘍が発見され寿命1年を言い渡され。
母は、ほうとう者で苦労させられて来た父の看病の連日の日々。
私に出来る事は好きな食べ物を買って来てあげる事位。
翌年父の母が亡くなり、その年の暮れに父が亡くなった。
60を過ぎてストレスから顔半分が引き攣ると言う病にかかった事のある母が
体調を崩すまで、そう長い年月は掛からなかった。
炊事洗濯掃除、買い物。やってみると、とてもたいへん。今までの母への感謝。
躁と、うつが交互に来るようで今笑っていたかと思うと思い出したように怒り出す。
ある日、そんな母が無理をして買い物に行き私の為に料理を作ってくれた。
健康を考えて野菜盛りだくさん。
母が居るだけで賑やかな場になる。愛犬と何時も漫才をしている様な人。
急に静かになったので寝たのかな?と思い少ししてから様子を見に行ったら倒れていた。
救急救命に運ばれたが帰って来る事はなかった。
翌年、母を追う様に愛犬も亡くなり数ヶ月放心状態に陥ったが預金も残り少なく
就職活動をしたがガテン系の仕事しかした事のない50代で足と腰を少し患っていては
中々見つからない。孤独に1人悩み日々1日1日、時と金だけが消費されていく。
歯もボロボロ、髪も抜け始め目も悪くなったけど、もう医者に行く金もなく
『両親や犬の事の片付けも済んだし後は俺自身か』出来るだけ目立たず静かに消えて行きたい。
もし、あの世があれば愛犬には出来る限りの医療を受けさせたけど駄目だった。
と母に謝りたい。誰よりも1番に逝きたかったと伝えたい。