昔の私へ、
今日断捨離をしたんだけどね、あなたが書いた遺書を見つけました。
内容はすごくシンプルで、
「疲れました。だから死にます。」
何に疲れたかも、何故そうなったかも、何も書かれてないシンプルな内容でした。
あなたは今、クラスだけではなく、学年から嫌われていますね。ありもしない噂を流されて、否定も出来ず、ただただ耐えていますね。よく頑張っていると思います。教師にも親にも相手にされず、幼なじみにも裏切られ、それでも必死に耐えて耐えて、本当に偉い。
今の私は、あなたの事を褒めてあげたいです。本当によく頑張ってるね、偉いねって。
中学に入って、近隣の小学校から人が集まって、あなたは新しくお友達を作るチャンスだと思ったよね。積極的に声を掛けたし、声を掛けられてあっという間に友達が増えた。友達作るのってこんなに楽だったんだって感じたと思う。
でも、同じ小学校の子も沢山いる。薄々気付いてたよね、あなたも。小学校の頃の噂を流されるって。案の定予想は当たった。また1人になってしまった。
それなりに大規模な中学校。それにも関わらず学年中から嫌われちゃったんだよね。むしろ、あなたが知らない人からも「うわ、〇〇や!」って言われる状態。いや、お前誰だよ。って心の中で何度も思ったはず。
それでも、そんなあなたでも友達になってくれる子は居た。まあ、直ぐに離れちゃったけど。信じてら裏切られて、また信じては裏切られて。あなたは誰も信用出来なくなった。あなたはいつか治るって思ってるかもしれないけど、今の私も誰も信じられないです。
あの頃から、男の人が怖くなった。どんなに仲良くなっても電話ができない。耳元で聞こえる声が怖くて、震えて、まともに喋れなくなる。
あなたはあの時遺書を書いて、死のうとした。だけど死にきれなくて、何度も死のうとしては出来なかったよね。
あの時のあなたは、神様が「生きろ。」って言ってくれてるんだって前向きに捉えたよね。きっとそうだったんだと思う。
あなたは、誰かに褒められたかった。偉いね、よく頑張ったねって言われたかった。助けてなんて思わない、ただただ、いじめられて、辛くて、苦しくて、それでも頑張った。耐えた。褒めて欲しかった。だって、助けを求めたって何も変わらないのは小学校で学んだから。
当時は自殺サイトにも出入りしたよね。励ましてもらったり、励まし返したり、みんなで支えあえてた。いつしかあなたは、ネットの世界でしか居場所を作れなくなった。
今の私もそうだよ。何も変わらないまま。
あなたがあの頃に書いた遺書は捨てるね。新しく書き直しとく。もし未来の私が見つけたら笑うのかな。それとも今度こそ天国に行けるかな。
どっちにしろ、今の私は、あなたが思ってる何倍もあの頃のトラウマに苦しめられて生きている。他の奴らは何もかも忘れて楽しく生きてるんだろうね。私は一生忘れられないまま、人の目が怖くて、笑われてる気がして、コソコソ話が怖くて、男の人が怖くて、同世代の女性も怖くて、大きなトラウマを植え付けられたままだよ。
だけどね、楽しいことも沢山あったよ。高校の頃はすごく楽しかったよ。期待しててね。大人になっても嫌な事ももちろんあるけど、楽しいことも多いから。
あなたが今の私を見たらガッカリするかもしれないけれど、あなたはあなたの今を生きてね。
私は、私の今を生ききれなかったから。
今の私より。