忘れていた記憶がある戻ってきて、
忘れていた声が戻ってきて、
忘れていた顔が戻ってきて、
最後に、
忘れたくなかった貴方に会えた時、
僕はきっとこの世で1番幸せになれると思うんです。
だって、だってね?
僕が生きてる中で出来ないのは、
死んだみんなに会うことだから。
それが出来たらきっと僕はこの世で1番幸せになれると思うんです。
悔いのない。
そんな人生になったのでしょう。
でも、死は終わりで。
人間は死を乗り越えれなくて、
死んだ人にはもう会えなくて、
声を聞くことも叶わない。
一番愛した人ほど、
1番忘れるのが早いんです。
だから、名前だけでも残したいものです。
せめて、沢山記録を残せばよかった。
写真を取っておけば、カメラを回していれば。
あの小さな家の小さな炬燵に、
私達家族が全員集まることはもう二度とない。
当たり前だったから写真も何も残さなかった。
でも、それは当たり前じゃ無くて、
明日急に無くなることかもしれなくて、
それを知らなかった愚かな僕らは、
無くしてから気がついて。
そしてそして、
わすれることを恐れるんです。
ほんとに馬鹿で救えない。
それでも僕はこの日々を当たり前にしたかったんです。
死という終わりから目を背けたくて、
永遠を感じたかった。
家に帰ればそこにいるって思いたいのです。
いつかあの炬燵にいるのが一人でも。
今はそれを、
当たり前だと思いたいのです、
だからどうか、どうか。
あの穏やかな朝が永遠でありますように。