終わってしまうものの
最後のきらめきを
大切に真空保存していたい
夢だったものの
ゴールを全て失くしても
これまでの足跡は残っている
永遠であったものの
欺瞞を暴くのは
いつだってくだらないものだった
本当だったものが
ひっくり返る世界で
本当だったものは
不確かな記憶だけだった
全ての道は
果てしない旅路なのか?
雲の切れ間から墜落するのか?
天国へ続く階段なのか?
地獄へ続く舗装路なのか?
すれ違いの道を
引き返すことは出来ず
長い坂道を
歩いていく事しか選べず
雨の日も
人波は消えないのに
それでもまだここにいる
ここにいるんだ
運命があるとして
それが視えるわけでもないから
瞬間先も真っ暗でしかなく
この「存在」は今「ここ」にあると
認識することから始まり
それは罪でもなく祝福でもない
この世界はわたしでしかなく
この世界はきみでしかない
原理的な孤独を
みんな忘れたように生きていて
分かり合いの即興劇を
そこらじゅうで繰り返すばかり
きらめきの軌跡を追って
雑踏を駆け抜けても
きっと間に合わないが
いつか爪の先が届いたなら
いつか手の中に入るのなら
いつかきみが終わるときに
他の誰かを駆り立てる
始まっていくものが
いまここにある