ずっとなんで自分の人生がこんなにも糞なのか疑問だった。
糞みたいな所に生まれて、まるで売り飛ばされるみたいに捨てられ
誰も助けてくれず、自力で立ち上がる力も無かった
全部全部なすがまま。
自分の人生は今まで常に他者によって決められてきて、苦痛があまりにも普通すぎて物心つくまでそれが苦痛だとすら知らなかった。
でも歳を食ってからたった一つだけど、一つだけ強みができた。
ずっと不思議だった。
なんで今なんだ。なんで一つだけなんだって疑問だった。
だからある意味かなりこの世界が嫌いだった。
なんでこれをもっと早くくれなかったんだって。そうすればあんな苦しみなんて一撃で吹っ飛ばしてもっとキラキラした人生が送れたのにって凄く凄く思っていた。
でも、今日はじめて自分の人生が分かったよ。
そして多分、神様がいる事も分かったよ。
なんで自分にこんな力が突然ついたのか。なんでないない尽くしの自分の人生にポッと小さい火が一つだけ灯ったのか。
多分、これは神様がくれたせめてもの救済措置だったんだ。
きっとこの人生があまりにもクソでクソで仕方なかったから神様も見ている事ができなかったんだろうね。
だから自分に灯りを一つだけくれたんだろうね。
せめてこの暗い暗い人生の中に一つだけでも輝きを見出す事ができるように。
ずっと神様とかそういうのはいないもんだとばかり思っていたけど、多分いるよ。きっと。
全人類に幸福をもたらすとかそんな大それた事はしてくれないけど
糞で糞で仕方がない人生に灯りを一つ与えてはくれたみたいだ。
なんだかこれからはもうちょっと世界と仲良くできそうな気がする。
今までは妬んで悔やんでばっかりだったけど、少なくともこんな自分にも明かりを一つだけくれるぐらいには世界は優しかったらしい。
これからは何で明かりを一つしかくれなかったんだって文句を言うよりも、この明かりをどうやってもっと強く明るくできるかに重点をおいて生きていきたいと思う。