私は、双子だった。
かたわれは、二卵性の兄なのか弟なのかは分からないが、男の子だった。
田舎の、昔ながらのしきたりを重んじる文化が根強かった農家に嫁いだ私の母は
私達双子を身篭った時、姑から
「双子なんて気味が悪い。縁起が悪いから堕してこい」と
当然のように言われたという。
それでも産まれた赤ん坊の片方が男の子と分かると、姑をはじめ私の父でさえ手のひらを返し
かたわれの男の子を跡継ぎだと猫可愛がりした。
忌み嫌われた女のかたわれであるわたしと
「それ」を産んだ母は、もれなく追い出され
養育費も貰えないまま、母子家庭として2人で暮らしはじめた。
私の人生はここから始まってしまった。
母の不幸もここからだった。最愛の息子を奪われて、収入も乏しい中私を抱えて生きていくには辛過ぎたのだろう、心を病んでいった。
私を常に監視し、自分の思い通りに動かないと容赦無く手を上げた。「お前に長い髪は似合わない」とショートカットを強要し、たまにセールで買って来てくれる服はボーイッシュなものばかりだった。
思春期の頃に下着を買って欲しいとお願いしたら、母のお古を着せられた。
「色気付きやがって」「男が出来たか、気色悪い」この頃の母の口癖だった。
「お母さんにはね、本当はもっと頭の良い子がいたんだ、でもお前はゴミ箱に捨てられてて可哀想だったから拾ってやったんだ」
幼い頃から繰り返し聞かされていた言葉。ひど〜い、なんて冗談交じりに聞き流すのが精一杯だった。
女に生まれた私が悪い。
女じゃなきゃ良かった。
双子をなんかに生まれなきゃ良かった。
かたわれが男じゃなきゃ良かった。
どうして女じゃだめなの。
なんで私を嫌うの。
男の子になればいいの？愛してくれるの？
そんな事を渦巻き心の奥底に眠らせているせいなのか
性差だったり、女性だけが虐げられるような制度や環境を見ると本当に反吐が出ます。
そんな思想を持った人ばかりでは無いと承知していますが
男性を心から信頼し、尊敬することが出来ません。
母と同年代の女性に対しても、接し方が未だに分かりません。いつ気分を害してしまうかとハラハラし、一緒に居るととても疲れてしまいます。
自分に対しても自信が持てません。私はどうせ誰からも愛されず、理解されず、消費されるだけ消費されて要らなくなったら捨てられる。そんなもんだろなんて考えてしまいます。
心の中で小さな幼い頃の自分が泣いています。
そんな自分自身に私はかける言葉が見つからないでいます。
どうしたら、私はわたしを愛す事ができますか。
名前のない小瓶
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ななしさん
1通目のお返事の方に、かなり同意なのですが…
「許し」は、無理やりそれをしようとすると、自分を著しく歪めてしまうことがあるので、そこが心配です。
本来なら、できれば誰か信頼できる人に付き添ってもらい、当時の憎しみや怒り、裏切られた思いや寂しさ、嘆きや悲しみなどを追体験し、全てを受け入れて悼む、という大変困難なプロセスを経て、ようやく至れるような境地ですから。
なので…うーん…
やっぱり、「許す」という行為や言葉が小瓶主さんにとってしんどいなら、ひとまずそこは保留というか、少しずつ進めた方がいいような気がします。
小瓶主さんが「この人は私の味方だ」と思える人に巡り会う体験をなさっていれば、心の中に拠り所ができて、お母さんへの許しにしても、心の中の幼いあなたを慰め、安心させる言葉を見つけることにしても、ずっとやりやすくなるとは思います。
宛メで、あなたに寄り添うお返事が来る事も、その一助にはなるでしょう。
あなたが、この世にはちゃんと自分を気にかけ、寄り添ってくれる人がいると実感すればするほど、小さなあなたへも実感を込めて「大丈夫だよ」と言ってあげられるでしょうから。
男性への信頼回復も、お母さんの年代の女性への対応の仕方も、カウンセリングなら一つ一つが相当な時間をかけて取り組むようなテーマです。
どうか、焦らず進めてみて下さい。
どこでも、あなたが必要と思うところから。
あなたに必要な手助けと味方が、得られますように…。
ななしさん
誤解を恐れず、そしてこのお返事がどうかあなたを苦しめませんようにと願いながら送ります。
あなたがあなたを愛する為には、母親を許すことかなと、私は思います。
これは、お母様のためではなく、あなたのために許すということです。
酷い言葉や態度をとられたこと、これは到底許せないものだと思います。
母親の心情を考え、その立場に立って振り返れば理解できなくもない。というものもあるでしょうが、全てではないでしょう。
貴方は愛されたかった。
母親にはそうするだけの余裕もなく、自分のキズを抑えるためにあなたにまで、ある意味甘えた。
子供にとっての一番の欲求であり、必要なものなのに。
あなたはもう、成人しておられると文面から察します。
心のなかで泣いている女の子を、我が子と捉え、あなた自身が母となってみてください。
理解し、許せた範囲でいいので、お母様のかわりに、あなたが女の子に謝って、そして存分に愛情を持って接してあげて下さい。
誰よりも女の子の悲しみや欲求を理解できるのは、あなた自身。
必ず、心の中で泣いている女の子を愛し、満たしてあげられます。
簡単ではないことですが、他の誰かでは、あなたほど女の子を救えません。
そして、できる限り今のあなたが母親を許さなくては、あなたが女の子の母親にはなれない。苦しすぎて。
上手く説明出来ませんが、全てを受け入れるという感じでしようか。
かける言葉は、あなたが欲しかった言葉。
そしてもうひとつ。、小さな女の子と共に過去を振り返り、耐えてきた過程をその都度女の子と一緒に、当時の自分を褒め、慰め、認めていきましょう。
あなたは、本当によく耐えたではありませんか。
その分、あなたは心の深い方。誰もが持っているものではないはずです。
他にも沢山のものをお持ちになっている。
そのことにまずは気が付き、いつか認め誇りに思えますように。
本当は、お母様があなたにあたえるものなのに、こんな辛くて大変な方法しかお伝え出来なくてすみません。
でも、私自身が一番有効だと思っている方法です。
もちろんですが、無理におすすめするものではありません。
あなたは何も悪くないのに、本当にお辛いですよね。
力及ばすですが、今のあなたと、心の中のおんなのこのあなた、お二人を抱きしめて寄り添いたい。
勝手ながらそんな気持ちも小瓶に入れさせていただきます。
ご気分を害させたり、辛い気持ちにさせてしまったら、本当にすみません。
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