誰もが疲れきっている世界で、一体誰に相談したら良いのか。
身の回りにはちゃんと、気にかけてくれる人も、話を聞いてくれる人もいるのに、まだそう思っている。
昔は親が主な相談先だったが、大人になり、「親も人間だ」という事をやっと認識するようになったので、自分の事を話そうと思わなくなった。親だって、仕事や家庭の事で疲れているんだった、と。
友人も同様だ。親よりは気軽に話が出来る気がするが、やっぱり彼らも疲れているだろうから、そうそう自分の事ばかり話してはいられない。
同僚や上司は仕事の事で話を聞いて貰いやすい存在だが、あくまで同じ職場の仲間というだけだ。あまり頼りすぎて迷惑をかけてもいられない。まあこれは、誰に対してもそうだが。
だから、金を払って話を聞いて貰うのが一番気が楽だと思うようになった。金を払っているから、その金の分だけは幾らでも自分の好きなように話して良い、と。
でも、それで完全に良いと思える程、自分はまだ合理的な思考には至れない。
なまじ周囲の人の暖かさを知っているが故に、赤の他人に自分の話を聞いて貰うだけでは、多分足りないのだ。厄介な事に。
どうしたら話したい事を全部なかった事に出来るだろうか?
承認欲求を抑える方法は?
誰もが疲れきっている世界で、一体誰になら話をしても良い?