一般に浸透しているマナーの大抵のものは、私にとってとても苦痛だ。それを気にし出すとものすごく考えてしまって結局何もできないという結果にいたるし、何かをしようと思えばどこかの誰かにその皺寄せがくる。全員に好かれることは不可能だけど、無駄に嫌な思いをさせてしまったりするのは正直避けたい。でも毎度、だれかにとってマイナスになることに気がつかず、というより自分を優先させてしまう。すべて知ってしまうと私の場合は何もしないで独りになって死ぬまで眠るしかない。
それを選べたら、どんなにラクだろうと思う。
けどそれを選ぶ度胸はない。少しでも好きなように生きたいから見猿聞か猿言わ猿で意図してバカになり誰かを困らせたり嫌な思いをさせてしまう。
知ってしまうと、自分の選びたいものを選べなくなってしまうから。
酷い話だ。誰かを悲しませたり嫌な思いをさせたりしなくて済むような生き方や人間になりたい。
例えあまり知らない相手でも、やっぱり申し訳なくてとても悲しくなる。自分で選んだけども、いつものことだけど何をどうしたところで、誰かはそのぶん被害を被る。その辛さは、子供の頃から変わらない。それなのに、どうしたって私は良い人間になれず、選ぶのはいつも自分だ。相手のためだけに何かをしたことなんて、記憶にない。
だからこんな惨めな人生なんだろか?
大切だと思うひとを誰も悲しませたり嫌な思いをさせたりしなくて済むように、私のことを大切にしてくれるひとと引きこもれたら、どんなに心が救われるだろう。私は成功よりも誰かに嫌な思いをさせなくて済む人生を送りたい。
何度味わってもこれはとても、何より悲しいことのひとつだ。