「来てほしい」
そう言った貴女のために、休みを取って
準備していたのに
「世間的にアレだから、来なくていい」って。
「じゃあ、日帰りで行くか」って
頼まれたものを置いて
それだけで帰るつもりで片道6時間。
「帰るなんて嘘でしょう? 泊まって行くんでしょう?」
気持ちはわかるけど
日帰りのつもりで行ったから。
「何も持って来てないもの。薬もないから帰るよ」
そう言った私に貴女は言った。
「1日くらい飲まなくても大丈夫でしょう。泊まっていきなさい」
私がどんな薬を飲んでいるのか知らないのに
1日くらい大丈夫って。
ああ、なんか、なんか…。
振り切って帰って、途中にかかって来た電話。
「帰るって本気じゃないでしょ? ウチに戻って来るでしょ」
「いや。本気で帰るよ」
その後の貴女の言葉に、とてもとても苦しくなった。
「お願いしますから。泊まっていってください」
貴女は、自分の欲が1番なんだと思ってしまった自分に。
貴女の「お願いします」に何を感じることもなく
ただ、ヤベー奴だと思ってしまった自分に。
私は貴女の思い通りに動く孫にはなれない。