この世の中で死にたいと思いながら生きている人ってどの位いるのでしょうか?
私は小さい頃から楽しいとか満たされてるとか感じた事がほとんどありませんでした。
親にも環境にもそれなりに恵まれていて、周りとくらべて自分が特別足りないだとか不自由だとか感じたことはありません。
それでも笑っていても、誰かといても、本当に心の底からその場を、その一瞬を幸せだと感じることは基本ありませんでした。
そんな私ですが数年前、あるアニメ作品のキャラクターに恋に落ちました。
生まれて初めて心の底から「生きてきて良かった!」「出会えて本当に良かった!」「自分はなんて幸せなんだ!」と思いました。
それまで、異性も同性も、友達として、恋人として仲を深めた人もそれなりにいましたが、そのキャラクターほど、誰かに何かに対して強い感情を抱いたのは初めてのことでした。
彼のことを考えると簡単に涙がでるし、彼のことを愛しく思うと脳内から幸せホルモンが出てるのを感じます。
でも当たり前ですが、彼は実在しないし、頭の中か画面上にいる存在でしかないことも分かっています。
分かっていても、彼のことを考えると心から幸せなのです。
普通はそういう感情を身近な人間に対して向けるものかと思います。
私は昔から恋愛に対する情熱がとても薄く、どうして好きだ付き合っただのでそんなに盛り上がれるのだろう、と口には出さずとも思ってました。
でもその情熱が、私が彼に向ける情熱と同じだとしたら、みんななんて幸せな思いをしているんだ!と思いました。
実在しないキャラクターを、本気で心から好きでいてもどうしようもないと思う自分もいます。
好きという気持ちだけで舞い上がって盛り上がっても所詮彼と一緒に過ごすことは出来ないし、彼を思い続けるだけで残りの人生を過ごしていくことにどうしようもないやるせなさを感じます。
いっそのこと消えてしまってもいいとか最近は思ってしまいます。
人間って客観的に生きる意味や価値と死ぬ意味や価値を天秤にかけて生きる事の方が良いと思うから生きているのでは無いように思います。
それはおそらく平和で恵まれた環境にあるがゆえですが、生きること、生き続けることは言ってしまえば簡単です。
苦しい事や嫌なことも多い人生をこれから先何十年と過ごすことと、死んですべてが終わることを天秤にかけて、後者の方が自分は幸せかもと思いながら、なんとなく生き続けています。
自分が死んだら親や友達は悲しむだろうけれど、本質的に困る事はないと思います。
だから好きな人を思いながら、さくっと遠くに行くみたいに消えたいなと思ったりします。
こういう風にうっすらと希死念慮を抱きながら生きています。
未来は分からなくて、それが希望といえばそうで、でもなんとなく今を大きく突き動かす衝動や情熱のない自分のような人間は、結局窮屈な今を変えられずに死ぬまで生きるような気がします。
そのやるせなさにしにたくなるのです。