好きな、大好きな先輩。
本当に近くで見ているだけで心が洗われるくらい綺麗な、どこか冷たい先輩が先日引退した。
接点なんて殆どない。
強いて言うなら部活が同じだと言うこと。
特に特別なことで話しかけられるわけでもなく、対応も優しいのにどこかそっけなく、それでもリーダーシップがあり、他の先輩方とじゃれ合う姿をみては、思わず狂おしいほどの愛しさが溢れる、そんな人。部活のみんなの憧れ。
そんな先輩が引退し、政権交代を果たした我が部活は、早速テスト期間で休みを迎えたが、どうにも寂しい。
廊下でお目当ての先輩と会うこともしばしばあり、その度にあ、と思いながらお辞儀をする。
本当に毎日会っているのではないか、いや、その為にわざわざ遠回りをして先輩の教室の近くを今日も通る。
来年になれば今度は卒業されてしまう。
追いつきたい。