ななしさん
あるよ。
私は先生からつるし上げをくって、クラス中からお前のせいだと言われたことがあったけれど、その原因となったことを本当に何も覚えていなかった。
思い出したのは10年近くたってから。
バケツの底に残ってた水がこぼれてなくなっていたというだけ。
特別な水でもなく、わざとやったわけでもなく、ただ担任に頼まれてバケツを運んでいる途中に転んでしまって不可効力でこぼしてしまった。
そうなってしまったことを、クラスの帰りの会でクラス中に向かって、担任が「誰が犯人だ」と高圧的に言ったその恐怖で一瞬で記憶が飛んで、私は何もしていないと思い込んだ。
後に思い出した時に気づいたのだけれど、担任は初めから誰がこぼしたか知っていた。だって頼んだ本人なのだから。
私をクラスのさらし者にしたいがためにやっただけだったんだって気づいた。だって水がないことに気づいたなら、私に直接水こぼしたのか?って聞けばいいだけの話なんだから。
自分の言いつけ通りに出来ない奴は、みんなの前で罰してやろうという意地の悪さに、もう何年もたってるのにその担任を憎んだよ。
その当時、その記憶がありありと残っていたら、たぶん私は学校に行かなくなってた。
長くなってごめんね。
でも、自分の心を守るために、忘れちゃうか薄めちゃうんだと思う、自分の記憶を。
その記憶をある程度許容できるようになったときに、「そうだこんなことがあった」って思い出すよ。
だから、無理に思い出さなくてもいいよ。
自分を守るために脳が無意識にやってることで、ちゃんと理由があるから。