気持ち悪くてたまらない。
愛を欲している。
でも、誰か赤の他人にではない。
ずっと近くにいたはずの、与えられたはずの愛を、過去に、今に欲しているのだ。
私は贅沢を言っているのだろうか。
私は親友を心から愛している。私が唯一真に持ち得た愛情。愛されていると信じさせてくれる友人達がいる。
私は諦めずに、ちゃんと甘えて育ちたかった。みんなと同じような発達をして、みんなと同じ愛を抱いて、みんなと同じく他に愛を向ける。そんな未来がどこかで途絶えた。
友人に甘えれば、少し離れてみている私が気持ち悪さを覚え、必死になってみると気遅れを起こした。
才能も面白みもない私をしたって、連れ出してくれるあの子は、私の何を、どう観ているのだろう。
人生で初めて男友達ができた。「気になるからラインを交換したい」人伝いに交換した連絡先は、彼氏になりたいという申し出ではなく、友人になりたいと言われたわけでもない。飲食に誘ってくれたり、学園祭を周る誘いをしてくれたりする。特に趣味が同じでもなければ、好みが合っているわけでもない。
友人と過ごす様子との明らかな違いは気持ちが悪い。
随分と優しげに気遣われる容姿に、自分が女であることを、過ごす時間の間ずっと思い出させてくるようで、決して同等の立ち位置ではないと、感じさせられているようで。
彼が私の何を観て、連れ出してくれるのか、会話をしたいと思っているのかわからない。
友人以外を愛することができない。恋愛感情がないのだ。だから、友人として尊く親おうと思う。
しかしもし、彼が私を友人ではなく女性として必要なら、それらしく「さよなら」を言わなければいけないだろう。応えることも返すことも、できないのだから。
恋人の縁は、簡単に切れてしまうから嫌いだ。何がなくとも簡単に切れ、縁の軽視に思えてならない。たった一言、「ふられた」と。
私には常に未来の話をしてくれる友人がいる。縁の切れないことをどこか信じさせてくれる親友を心から愛している。
