最近は返事がメインだったので久々に小瓶を流してみよう。
僕が宛名のないメールを利用するようになって約一年が経過した。
僕は同性愛者だが、本気で恋い焦がれていた高校時代の同級生の男性が結婚し身を切られるほどの辛い思いを吐き出したことが利用の切欠だったな。
今読み返してみると、我ながら感情に任せて書き殴ったのがありありと分かる文章で少々恥ずかしい。
書き手である僕自身ですら恥ずかしいのだから、見る側の人にとっては尚更だろう。
それでも小瓶を拾った方からは読んでいて心まで温かくなるようなメッセージをいただいた。
見ず知らずの僕に励ましの言葉を送ったところで何も得はない。つまり本当に心からの善意でわざわざ僕の小瓶に目を通して下さり、更には貴重な時間を割いてまでお返事を書いてくれているのだ。
その思いやりの気持ちがどれほど身にしみたことか。
あれから一年、まだ少し心は痛むがもうほとんど立ち直ることはできた。
比較的早く立ち直れた要因は時間もあるが、あの日僕にメッセージを下さった方、ひいてはここにいる皆さんの溢れんばかりの善意の影響も間違いなくあるだろう。
小瓶の数々を見ていて、僕などよりも遥かに辛く苦しい境遇にいて、もうこの世から去ってしまいたいとまで思い詰めている方も多くいることを知った。
そして、そこまで思い詰めていても温かいメッセージを送って支えてくれている人がこの世にいることも。
周囲が見えなくなって自分一人だけが苦しいとばかり思い込んでいた僕が恥ずかしくなる思いだった。
人は決して一人では生きてはいけないから多かれ少なかれ自分以外の誰かと手を取り合い「社会性」をもって生きる必要がある。
価値観も立場も異なる人々が集う「社会」は衝突や軋轢も生じることは否定できない。
けれど、辛く苦しい時に温かい言葉をかけて救ってくれる人がいるという人間特有の美しさも間違いなくあるのだ。
(度が過ぎた不適切な言葉を除き)辛い思いも隠すことなく吐き出すことが出来、誹謗中傷の心配はなく温かいお返事が返ってくる。
人の美しさを体現したような優しい場所だ、と感じる。
このサイトの管理人氏が「世界で一番優しいSNSを目指しています」と言っていたのを聞いて最初は「流石に誇張しすぎでは?」と思っていたが、今では僕自身も実現できると真面目に思う。
今のところ僕はこれといった強い悩みや苦しみはない。だから当面はお返事をメインに書いていくつもりだ。
僕が感じたあの温かい気持ちを少しでも僕の返事を読んで下さった人が感じてくれたら。ほんのわずかでも悩みや苦しみから立ち直れる為の役に立てたら。
一人一人の影響は少なくても、そのような気持ちの連鎖がどんどん続いていけば。
「世界一優しいSNS」は必ず実現するはずだ。僕はそう思う。