ななしさん
自分のことが嫌いでも、
そんなものだよ。
今まで生きてきて、一番信じて。
一番そばにいて、
一番いろんなことを体感して。
一心同体なんだから、
例え嫌いでも、
嫌いなだけでは終わらないんだよ。
一番大切なものが、
あなたとあなたの中で結ばれているんだよ。
絆なんて言う生ぬるいものじゃなくて、ね。
どんなに傷つけても、
どんなに甲斐性なしでも。
自分を解ってくれているのは、
自分だってことだよ。
一つの言葉にすれば、
死にたくないのさ。
今のあなたには、
胸苦しくなる言葉かもしれないけれど。
その気持ちを抑え込んでまで、
「お前」を殺したいんですか?
・・・・・出来ないくせに。
だけど、それで良いんだよ。
それがあなたと「お前」にとって、
正しい選択に繋がるんだから。
嫌いなままで良いんだよ。
それは中途半端で変わらないんだ。
何時までも。何時までもね。
迷惑掛けることも、いと仕方ない。
それが、今まで歩んできた、
中途半端なあなただからだ。
俺もその一人だよ。
中途半端でも、
そこにある道は歩ききりたいだろう?
中途半端だから抜け出せるかもしれない。
だから、生きろよ。
通過点と可能性を超えていけ。
今までも、これからも。
どうせ。それしかできないよ。
嫌いなまま、泣いて歩けよ。
いつかその顔が、泣き笑いに変わるまで。
心からの喜びに変わるまで。
俺たちにできることは、
「お前」を物語の主人公に、
することだけなんだよ。
だったらいつか、
主人公にその物語を見せてやらなくちゃな。
きっと、それを望んでいるよ。
お互い、良い脚本化であれ。
蝶になりたい蛾