過去のトラウマから、人を信じられなくなった。
学校に行っても、ずっと一人ぼっち。誰とも話すことができない。困ったことがあっても、誰にも相談しない。相談できない。そんな毎日が続いた。
ある日、自分はFTM(体の性別が女性で心の性別が男性)だと自覚した。誰にも相談できない。苦しい。死にたい。男の子と話したいのに、周りにいるのは女の子。女の子と話すことができても、本音で話すことはできない。それなのに男の子と話すなんてできなかった。
男の子と話すきっかけができた。話すうちに彼とは本音で語り合うこともできるようになって、自分がFTMであることがバレた。ものすごく焦った。周りに言いふらされたらどうしよう。受け入れられなかったらどうしよう。嫌われたらどうしよう。最悪死のう。そう考えた。
彼は「男っていいよな」と言ってくれた。私のことを受け入れてくれたのだ。周りに言いふらされることもなかった。
それから彼とは毎日連絡を取り合う仲になった。会話の中で「精神面は守れるから頼りにしてね」と言われて、すごく心強かった。
ある日、先生が「女装する気持ちがよくわからない。どうして別の性別になりたいと思うのか理解できない」と言っていた。自分に向けて言われたみたいで、すごく苦しくなった。でも、生きていく上でこういうことを言われるのは避けては通れない。苦しい。辛い。死にたい。消えたい。
「わからないこともない」
彼の声だった。先生に言い返してくれたのだ。先生は「自分を変えられるから良いのかも」と納得していた。
すごくかっこよかった。本当に守ってくれた。嬉しくて泣きそうだった。
彼に感謝の気持ちを伝えた。すると
「うん。◯◯のためを思って」
「ってこともないけど」
と返信がきた。細かいところまで気を遣われている感じがして少し申し訳なかったけど、嬉しかった。
過去のトラウマはまだあるし、人を信じることは怖い。けれど、彼のことだけは信じられる。自分の将来なんてどうでも良くて、さっさと死にたいと思っていたけど、今は自分の将来が楽しみだと思う。心から生きたいとは思えていないけれど、生きる希望を見つけた。もう少しだけ、がんばろうと思う。希望をくれた彼に感謝。
この話を誰かに知ってもらいたくて、初めて小瓶に書きました。最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。どうかあなたにも、救世主が現れますように。