自分がおかしいのだとわかっている。
そこに存在していると認識している。
声も音も聞こえてくるのだと認識している。
苦しくなるほど臭うのだと認識している。
頭の中では悲痛な叫び声が鳴り止まない。
何処にいても空気は煙たくて。
私を覗き込む深淵の顔も、私を凝視する目も、空から落ちて溶ける自分自身も、認識している事はおかしな事だとわかっている。
最初の医者には、病名を無理矢理付けようと思えば付けられるけど、これ以上おかしくなるようならまた来てくださいと言われた。
次の医者には、病名をつけるならこれかな、とりあえずじゃ、仕事辞めちゃえば?と言われた。
別に病名が喉から手が出るほど欲しかったわけじゃないけど、これ以上おかしくなるって何なのだろう。
会社を自主的に、「じゃ、辞めます」なんてお気軽に辞められない。
人員を増やすことも拒否されて、自分が辞める事も拒否されて。
他力本願、どうかどうか、誰か助けてと、人から隠れて泣いて乞うだけ。
あの子を抑えるのがつらくなってきた。
ずっとずっと、衝動のままに狂いそうなあの子を抑えるのも、そろそろ限界になってきた。
それでも、毎日毎日自分自身をリセマラして、活動できる自分を操縦席に据えて、今日も生きている。
もう、動くのだってつらいけど、喋るのだってつらいけど、食べるのだって面倒で、何をするにも面倒で、どうあっても億劫で。
文字に書いたら、何かがどれかが、マシになればいいのに。