私は音楽が好きだ。絵が、小説が、それ以外にも人が思いを込めたものが好きだ。それらは美しいから。
綺麗な風景が好きだ。そこに在るだけで美しい。それは素晴らしいことだから。
この世界には美しいものが沢山あって、そんな美しいものを作る人も沢山いる。
でも、私には何もできない。絵も音楽も小説も、自分で作れやしない。
そのことを実感するたびに、どうしようもなく苦しくなる。
好きで聞いているはずの音楽も、「お前には何が出来る?」と私を責めているかのような気すらしてくる。
もちろん、ただの勘違いなのはわかっている。
けれど、私には何もない。
いろんな人が作った美しいものを消費するだけの存在。
それが私だ。
私は私を好きになりたい。