最近、小瓶を拾う時間どころか、流す時間もままならず、皆さんとお話できる機会が減って、狼も寂しくなってしまいました。
今年に入って、なかなか走ることが出来ていませんが、狼は変わらず海に訪れています。
皆さんはお変わりないでしょうか。
狼を初めて見る方も、今日は良い気分で過ごせているでしょうか。
今日は心のお話をしましょう。
心は水。
なんてよく表現されることでしょうね。
心が溢れる。
心が割れる。
心が掴めない。
心が枯れる。
心はいつもは液体の姿をしていて、つかむどころか、認識することも難しい。かと思えば、突然冷えて固まってしまうこともある。そういう時に強い外力が加われば、簡単に割れてしまう。心は蒸発し、入れ替わってしまったりもする。
心が蒸発してしまったり、枯れてしまったりすれば、二度と同じ姿には戻らない。
この海には、たくさんの水があります。
その中には、一つ一つの想いがこぼれて混ざっているのでしょう。
それを拾い集めることは難しいけれど、目を閉じて少し浸って見ることはできる。
狼はそうしているうちに、小さな小瓶に出会うのです。
流れ出した心は、元に戻ることはなくとも、誰かに伝わることはある。
狼はそれを感じる、1つの存在になれたらいいなと思うのです。
今日も誰かが、心の水をこぼしている。
少しだけその水を、狼に分けてくれませんか。
淡く、語らうことのできるこの海で。