もともと話すことは嫌いじゃなかった。
そりゃ、コミュ障だから苦手ではあるけど。
たまに声を褒められることもあった。
褒められる、というのに悪い気はそんなにしない。
だが。
その声によってトラウマもどきが引き起こされたら?
聞き取りやすい声だって言われるのは、あぁしっかり話せて良かったなと思う。
かわいい声だねーっていうのも、まあ…ありがとう、ってなる。
ーーー声が好きです。
…まあ、そこまでならまあ一応分からなくもない。
ーーー愛してます。
…は?
…匿名の感想用紙にそれ書く必要ある?
そこからその人とまあ色々あって見事に男子が怖くなった訳ですが。
え?私がおかしいのかな?
突然ろくに面識ない人とこんなことになったら怖くないですか…?
…てな訳で、そのうち人前で話すのもかなり億劫になりましたとさ。
数日後、多分この小瓶が流れるころ、私はとある用事で多くの人の前で話す。
そういえば私がこの発表とかの類避けてたのってこんなことあったからだったなぁとか思ってとりあえず書き記す。
その人は今度のその会場にはいないし、話す時間も全然短いけど、
やっぱり、ちょっと、怖いね。
よく、長所と短所は裏表なんていうけれど。
自分の強みと自分の弱さも表裏一体なんだね。
口を開きたくないなぁ。
普通に喋るのすらめんどくさくなってきちゃった。