私は姉です。
4歳差の妹と、7歳差の弟がいます。父と母もいます。
妹は重度の知的障害で言葉が喋れません。見た目が成長していても、中身はずっと赤ちゃんです。私はお姉ちゃんになるのが憧れでした。妹がお腹にいるとき、たくさんお姉ちゃんになる練習をしました。産まれてきた妹はとても可愛くて、大きくなって「ねえね」と呼んでくれるようになることを楽しみにしていました。それから十何年間がたちました。今、私は弟に「ねえね」呼ばれます。妹は、私のことを呼べません。妹のことは大好きです。最高の妹です。でも、やっぱり「ねえね」って呼んでほしかった。おんなじの学校に通って、登下校を一緒にしたかった。一緒にしたかったことがたくさんあった。誰にも言えないけれど。
妹が何にもできないこと、責めたい訳じゃない。ただ、寂しいだけ。いつもそう感じる訳でもない。溜めて溜めて、爆発しちゃう日があるだけ。苦しくて涙がとまらない夜が。
今日だけ、お姉ちゃんやめさせて。