きみの小瓶に話しかけたら、元気で、わたしが思ってたとおりで、なにも心配することもなさそうだったし、きみとわたしの間でしんみりとするのはあんまり合わないかなー。と思ってこういう手紙は出さないですませようとしてたんだけど。
ずっと言ってるけど、
ずっと、話しかけてくれててありがとう。
わたしはきみと話するの楽しかったよ。
いちおう軽くあいさつをして出たつもりだったんだけどね。
あの後も話しかけてくれてたよね?
そんなおもしろい踊りを見せて、
「天鈿女かっ!」
って思ったよ。
自分を太陽とか、天照大御神とか言いたいのではなくて、ただの引きこもりの岩戸で、はりぼての岩戸を襖みたいに開けて市原悦子のごとく覗き、ピシャリと閉める。そんな感じなんだけどね。
出ていくわけにいかないから困ったものだよ。
でね、ね、今度は、ね、わかってるよね、
ね。
もうすぐ鍵たちが壊れちゃうと思うからさー
これ、ふりじゃあないからね。
まあ、それを言っときたかったのとー
ずっとなんか頭にあった心象風景の話してい?
いや、だめって言っても聞こえないからしちゃうんだけどー
わたしは宛メの事を思う時、こんなイメージがあってね。
みんなで運動場みたいなとこで手を繋いで、青空の下、おっきなひとつの丸になるんだ。
そこのどこかに自分も、自分のことを嫌ってる人も入っていてね。
でもこれは昼の部で、
夜の部のイメージもあって、
夜の部では真ん中にキャンプファイヤーが焚かれてて、その周りにみんなはいるんだけど散り散りバラバラ。
ところどころ塊があってね。
で、そん中のどこかで自分は一人で体育座りしてるんだけどね、アユムさんは黒い衣装を着て
「エロイムエッサイム」
って言いながらトカゲを火に焚べようとしてるから、横目で、誰かツっこんでやってくれ。って思ってるのよね。
っていうどうでもいい話。
あれ?おかしいなー。
もっとグッとくる小瓶になる予定だったのに、ちっともだなー。
アユムさんに話す想定してるからか?
まあ、きみはどんな感じの小瓶でも拾うの得意だからいいだろう?
それじゃあ。