「当たり前」
毎日目が覚めて、学校や会社へ出かけること。
歯を磨く、顔を洗う、食事をし、トイレに行く。
家族と過ごす、友達と遊ぶ。
また明日、明日への事を思いながら眠りにつくこと。
歩く、走る、手を動かす、呼吸する。
風の匂い、食べ物の味、触る感触。
腹の立つこと、はち切れそうなほど笑う事。
…。
僕もそれが当然だと思って生きてきた。
でも、事故で身体の自由を失って、その当たり前は必ずしも保証された物でない、何か一つで失うのだと、身をもって知る事になりました。
誰だってそんな事になるなんて思わないし、望まない。
そして僕はそうなって欲しくないし、貴方の当たり前を永遠に願っています。
そう在るべきなんだからね。
人生が180度暗転した僕から貴方へお願いがあります。
「大切に生きてください」
色んな出来事があります。
踏ん張ってもいいし、逃げてもいい、頼ってもいい。
今、貴方は動く事も選ぶ事も出来る。
どうしようも無い出来事に苛む事も出てくるし、大切な物を失う事もあるでしょう。
でもそれすら当たり前なんです。
悲観せず、前に進む事をしてください。
無事で生きていればきっと振り返った時に迎えたゴールに安堵できるから…。
僕自身、あの事故で死んでいれたら良かったと、思わない日は無いほど毎日障害の辛さと過ごしてます。
でもね。
だから今、当たり前の毎日に心の底から感謝してるのです。
身の回りの事をこなす事、改めて一緒に居てくれる家族や友人の事。
こんな形ですが再確認出来ました。
そして貴方自信だけで無く、周りの人の当たり前も大切に思ってください。
毎日意識的にお祈りするとかでは無くて、ほんの少しだけ思って欲しいのです。
無事に今日も過ごせた事、それだけ。
そしてもし、出来ることなら今居てくれる家族や友人に気持ちを込めて
「いつもありがとね」
と言葉にして伝えてあげて下さい。
それはお互いにきっとこれからも大切に思い合えるから。
どんなにお金があっても、毎日が充実していても、命がある事が大前提。
他人の暮らしが羨ましいと思う事もありますよね?
でもそれは他人の事。
他ならぬ貴方の人生には全く無関係。
貴方の幸せや、生き方は貴方だけの、たった一つの貴重な事。
貴方の色、誰とも比べられない輝き。
周りを見て自己肯定感を失いそうな感情になる事も自然な貴方。
いつか必ず人生の終わりはやって来ます。
そのエンドロールが最高の物でありますように。
明日も玄関を開けて出かける貴方の姿。
僕はそれがとても羨ましいです。
妬みではないですよ(笑)
そして貴方の明日が、これからがどんなドラマになるのか。
ハッピーエンドを楽しみに思いを馳せて…
選択肢を、自分の正直な気持ちを。
Don't mind!