5月に入ってから色々と慌ただしかったので、すっかり気が滅入っていましたが、何とか持ち直してきました。
頭が冷えると、余裕が生まれてくるせいかとりとめのないことを考えたり、過去の出来事を振り返ったりするのですが、私の場合は様々の失敗を思い出してしまって、古傷が痛むような心地になります。
決して憂鬱というわけではなく、心地の良い範囲の痛みとでも言えば良いのでしょうか、兎角、移り変わっては回る季節の中に、過去の自分を見るようです。
夜でも風が温いまま吹く季節に近付くと、昔よく通った飲み屋街の光景を思い出します。淡い灯りと喧騒に包まれて朝まで過ごした日々の記憶です。
人には人生の分岐点というものがあるのかもしれませんが、私にもそういったものがあり、当時の友人達とたまに会うときなどには、苦痛も心の栄養だったのかもしれないと考えます。
私は善人ではなく、しかし、悪党と言えるほどの度胸もなく、所詮は小悪党に過ぎない人間です。
下手くそなやり方だと分かっていても、愚かさを打ち明けて、そして受け入れて欲しいと、心の何処かでは望んでいるのかもしれません。
……うーん、抽象的でまさにとりとめがないことを書いてしまいました。
こういう時は、早めに出した鋳物の風鈴の音を聞きながら、さっさと眠るに限ります。