7年前。私は中学1年生だった。
当時、私には好きな人がいた。
正義感が強く、私のような何の取り柄もない人にも、分け隔てなく接してくれた。
そんな彼らしく、将来の夢は警察官になることだそうだ。
私はそんな彼が本当に好きだった。
でもあの日。
私たちが平凡に授業を受けていた日
あの事件は起こった。
大きな揺れが、私たちを襲った。
皆が驚き、逃げ惑った。
運動音痴で、馬鹿な私は逃げ遅れた。
私はここで死ぬのか。なんてこともない人生だった。誰もわたしがいないことになんか気が付いていないだろうな…。
そう思うと、無意識のうちに涙がでてくる。
生きるなんてどうでもよかったのに。
死を目の前にしたとたん生にすがりつくなんて。
そんな中、彼は来てくれた。
私の灯火は再び大きくなる
並行するように、彼の灯火は小さくなる
今、私は警察官を目指すべく死ぬ気で勉強している。
彼に報いるために。
もう決して戻って来ない
大好きだった、あのひとは。