ここで他人に優しい言葉をかける度に、優しい言葉をかけてほしいと思う私がいる。
優しい言葉をかけるたび、気持ちよくなってる私がいる。
自殺したおじの遺影に向かって、あなたは愚かだ、あなたより長く生きてあの世で笑ってやると言う私がいる。
人を見自分を見、まるで人間じゃないかのような言い草で分析する私がいる。
隣人の失敗を見て、少し安心している私がいる。
ここに来てまで、誇張表現と偽善を行う私がいる。
私は私が嫌いだ。
真っ当な未来も、碌な経験もない。
歩んできた道はいつでも他人に運んでもらって自力で必死に歩く人を笑ってきた。
寄生生物よりも寄生的で、そして無価値。
中途半端な自己がある分、扱いにくい。
血の繋がりがなかったら親は私を捨てていただろう。
親が悪いんじゃない。私がゴミだ。
ゴミはゴミ箱へ、邪魔な荷物は焼却炉へ。
至極当然だ。
ゴミを持ち続ける理由はたった一つ。
そのゴミに価値がある、と思い込むからだ。
空き缶や紙くずを宝物にするように、私というゴミは大切に育てられた。
親の心は知らない。
知りようはない。
ただし自己評価はさっさと死ぬべきゴミである、ということ。