33127811。体を動かすことは昔から好きで、運動量が減ったとはいえ、今でもジョギングに行くことは日課です。特に、夜のジョギングが好きで、何キロ走るかというよりは気持ちよく眠れるまで走ってしまうので、家を出てから帰るまで二時間ほどかかってしまいます。
近くの土手道を走ることが一番好きなのですが、そこからは色々のものが見えます。バスケットコートでフリースローしている人とか、先日は車のヘッドライトを背にして、漫才の練習をしている二人組を見かけました。
どうもどうもー、〇〇と申します。えー、私最近ですね……ect
いやぁ、あれは青春味がヤバイ。
土手道が無くなり、河川敷を走り始めて、木陰でライトを消してアイドリングしている車とかを見つけると目線を外してしまいます。なんか見ちゃいかんことしてないかと。
そうして、景色の変わらない夜の川辺を走っていると、本当に自分が前に進んでいるのかが分からなくなって来ます。道の左右には私の背よりも高い草が生えている。延々同じ景色が続く。
そろそろ帰ろうかなぁと思っても、灯のある通りに出る道はなかなかありません。暗闇への恐怖は人の本能とも言いますし、私も変に臆病なところがあります。引き返して、同じ道を走っても、全然景色が変わらなかったどうしようと思ってしまう。神隠しにあってしまうのではないか。
獣道同然の小道なんかを見つけ、うわぁ、ここから通りに出られるかなぁと思いながら走って行った先で、ようやく街灯の光が見えると少し安堵します。
けれども、夜中ですから人気はありません。あれじゃないか、ここは姿形だけ似ているだけの別世界じゃないか?電灯の光に少し赤みを帯びて立ち込める夕靄の中にいると、そんな不安が湧いて来ます。
そう思うと恐ろしくなり、ペースアップして家路につきます。私と同様に、夜道を散歩している人を追い越して、疾走します。その人からしたら私こそが異常な輩に見えちゃっているかもしれません笑