ほんまにそう思ってる?って自問自答してみると、意外とわからへんもん。
もともと文化系性質の自分が、ひょんなことで体育系の世界に足を踏み入れた。思えばそのきっかけも、今悩むことになる前触れやったんやろな。
まあ、元文化系やから、プロとかまではいかずに高校で終われたのはよかったけど。
きっかけっちゅーたら、兄の真似事。まあ世間一般より仲いい方やし、兄の歩いた道をなぞればなんも選択せんで楽やし。
兄が始めたから自分も始めた。それだけ。
優秀な兄を持って、自分も優秀やと勘違いした。
正直、自分は平均よりできる方やと思う。学業成績的には。
見た目も大人っぽい方。背も高いし(兄より高い)、ビジネススマイルは得意。顔立ちも賢く見えるらしい。(ある人に言われた。)
けどずっと追いかけていくわけにもいかへんってことに、中三で気づいた。
同時に、自分の「中」に何があるのかわからへんかった。
新しい環境に行くと、毎度いつの間にか”持ち上げられてる”。
小学校「今回もテスト良いんでしょ?」「これわかるよね?教えて~」
中学校「まあ君やからできるやろ」「キャプテン候補!」
高校「あなたなら大丈夫やと思うけど」「任せるわ」
大学「どうせ今回も90点でしょ?」「マルチでこなせててすごいね」
いつも気が付くと、周りが過大評価してる。
みんなそうなのかな?お世辞かな?とももちろん考えた。多分半分以上はそうやったとも思う。
けどここで問題なのが自分の性質。
”周りの期待を裏切れない” ”理想の自分でないと許せない”
周りの目を気にしすぎるあまり、周りの評価から自分の進路を決め始めた。
「頭いいならそういう大学に行くよね」「器用だからいろいろこなしながらでも勉強できるよね」
実際に言われたこと。(わかりにくく意訳はしてる)
そしたらだんだん、自分の要領とか限界がわからなくなる。
いつの間にかパンクしてて、ストレスで倒れる。
けど、泣くのも体調不良も、理想の自分じゃないから。病院には行かないし、友達にも言わない。
だって「気持ちの問題」なんて、理想の自分にあるわけないもん。強メンタルなんやし。
部活を終えてから、自分の周りで、「人前で泣ける人」をよく見かけるようになった。
いやもちろん、部活もギリギリ体罰あった時期やったから、泣いてる人は見たけど。それは三年間寝食を共にしてきた仲間やからというか。やからその仲間のことは、なんとかしてあげたい、と心から思った。
でもなんやろ。
「泣くな!」「しんどい辛いフリするな!」と怒鳴られ続けて、過呼吸になって練習して。存在価値がないと否定されまくって。それでも隠れて泣いてきた。仲間でもときには突き放されたこともあって、ほんまに味方がいないときもあった。親元離れたところまで進学してたから、逃げるところもない。親にも”理想の自分”であろうとしてたのもあって、連絡を取れば「頑張ってるよ」と笑顔で返した。
家が近い仲間は逃げ帰ったこともあった。夜遅くにみんなで迎えに行ったりもした。三年間寝る時間は毎日3時間寝られればいい方。ロングスリーパーの自分、下手したら死ぬ可能性やってある。それでも成績維持はしなあかん。部活をしている最中も、引退した後も、寮のルームメイトが眠っている中、疲れた体に鞭を打って勉強した。
泣かない。泣けない。アホみたいに頑張ってきた。
やのに、あの子は泣きよる。目の前で泣きよる。課題一つで泣きよる。提出大変なんは自分の責任で、誰かに怒られたわけでも殴られたわけでもないのに。泣きよる。
けどな、ここで寄り添ってあげるのが”理想”やねん。だって、その人はうちの今までなんか知らんもん。ほとんどの人知らんもん。ほんでうちも相手のこと知らんもん。やから全部しまって「辛かったね」って言うねん。
多分世の中の人みんなそうやって生きてるから。うちがわがまま言うわけにはいかへんねん。
そうやって部活でさんざん削り取られた自己肯定感は、うちに一切自分を肯定することを辞めさせた。
そしたら、自分の好きなこと、やりたいことがわからへんくなった。
周りが何かやっていると、自分に不必要であっても焦り始めた。
周りがしていないことをしないと、自分の価値がなくなる気がした。
わかってる。人それぞれやってることは違って。全部できるわけじゃないから、選択しながら生きてる。普遍的なことしてるように思っても、他人から見ると意外と尖って見えたりする。やからそんな気にしなくても、いずれチャンスがくるって。
頭でわかってても、心が追い付かへんくなった。
焦りに焦って、苦手なくせにマルチに物事に手を出し始めた。前からめんどくさがりで、なんでも同時進行する癖があった。けど最近はめんどくさいんじゃなくて、カッコつけのために。
朝早く起きて、自炊して、規則正しい生活を。勉強して、サークル兼部して、バイトして、教習所に通って。しかも全部完璧にせなあかん。テスト期間ですらやった。
親の負担を減らすため、支出は最低限に。それでいて友達、先輩との付き合いはなるべくフッ軽に。
もちろんパンクしたわな。もともと人に会うのが面倒やと思ってる性質やもん。人と会う機会増やしてんねんから、パンクして当然やな。人の顔と名前ぜんっぜん覚えられへんのも、それが原因やろな。
もちろんパンクしても、対処方法は人と会わへんだけやで。天気とかなんやかんや理由付けて、友達の誘いを断った。あとはベットで泣いて寝る。そのあとは勉強する。してないと不安やから。
俯瞰して、これはさすがにあかんなと思った。あかんねんけど、振り返ってこうも思った。
「あれ?小学校、中学校、高校のときと、なんも変わらへん。」
これ、一生繰り返すんちゃうやろか。
いや、語りすぎた。たまりすぎてて喋ると止まらへん。
そう、これを相談する相手もいない。たまに考える。いったん誰かに話したい。
家族?地元の友達?高校の友達?旧友?元チームメイト?大学の友達?サークルの先輩?バイト先の先輩?
結局、匿名のネットに限る。
人目を気にする癖さえなければ。人との会話が億劫でなければ。
自分のやりたいことってなんやろ。ほんまにやりたいことはできひんまま。
自分の「中」に何があるかわからへんのは当然や。だって「中」は空っぽやったから。
今日も無駄にキーボードを叩いてる。