たまには弱音を吐いてもいいと思うんだ。
私は決して、崇高な人間ではない。それに意思の強い人間でもないんだ。
むしろ弱っちくて、やるべきことができなかったり、いっつも欲望に負けて目先の快楽を追ってしまうんだ。
そうしてしまうたびに、崇高に見せた自分に嘘をついてしまっているんだ。それが、心苦しくて仕方がない。
自分が弱いと分かっていながら、それでも自分が強いように演じて、それを求めてすらいるのに、結局、自分に嘘はつけないようで、どうしても目先のことに気をやってしまう。
もう、面倒で仕方がない。
そういうことが他人に露呈した時、お前はなんて自堕落で意思の弱い奴だと罵られる。
分かっているよ、そんなことぐらい。
でも、俺は高級で甘い果物なんかじゃなくて、誰もが好いてくれるわけじゃないトマトみたいな野菜だからさ。
もちろん、それに甘んじたところ、お前は社会の教育に染まって、すっかり自意識という牙を抜かれた歯車や家畜みたいなもんだって言われるだろうけど。
それが分かってて、でもそれに染まりながら抗うって結構苦しい。
自分に嘘つくのは、すごく苦しい。
もう、とっととそんなことやめて、悠々自適に暮らしたいがよ。
どうせそうするにも苦労は必要なんだ。
だから頑張るからさ、せめて堂々と弱音ぐらい吐かせてくれねぇかなぁ。
投げ出してもいいかなぁ。