新宿。
死ぬと決めたものの、
どこでどうやって実行するのか決めかねていた。
眠る薬をお茶の水で手に入れてはいたけど、全部飲んでも死ねないことはわかっている。
季節は真夏。
炎天下の車の中で眠っちゃえば?
あいにく天気は悪くなってきていた。それに、力のない死人のような顔をしてレンタカー屋に行く勇気がなかった。レンタカー屋にも申し訳ない。
なんといっても、人と話したくなかった。
昔住んでいた高円寺に行ってみたくなった。思い出の木造の風呂なしアパートを外から眺めた。朝から夜まで、日曜日もなく、お盆も正月もなく、ひたすら勉強した思い出の街。ドン底から這い上がるきっかけとなった街だった。残念なことに、よく行った喫茶店はなくなっていた。
回転寿司に入ってビールを飲みながらお寿司をつまんだ。最後の晩餐のつもりだった。
真夜中、電車はとっくに終わっている。
高円寺から新宿まで、歩いた。
そして、新宿の漫画喫茶で少しだけ眠った。いっぱい歩いて疲れてたはずなのに、ちょっとしか眠れなかった。
早朝、外はまだ暗い。
南口、バスターミナル。
道路の片隅で眠っているホームレスを何人か見かけた。自分を見ているような気持ちになった。
(続きはまた後で書くよ)