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元気ですか。
最近少し、寒暖の差が激しくて、街ではマスクの人をよく見かけます。
ボクも、喉が少し痛いかな。
キミは大丈夫?
喉が痛いときは、飴を食べるといいよ。
のど飴、って書いてあるやつがいい。はちみつやレモンだと、喉に優しいと思う。
……あれ、はちみつ嫌いだっけ?レモンも?
そしたら、アイスとか?
冷やしたら、少しは腫れも治まるんじゃないかな。
甘いの全般がダメ?
そしたら、塩水でうがいをしてね。少しは殺菌効果、あったと思うよ。
ボクは今日、とても懐かしい人に逢いました。
あの人はボクに気付かなかったけど、元気そうで何より。
お仕事頑張ってた。……もう、そんな歳なんだね。
あの時はおんなじ服着て、一緒のクラスで、一緒に勉強してたのに。
全然違う道を進んでるんだね。びっくり。
あ、そうそう。あの子にも逢ったんだ。
お腹が大きくなってた。そう、その子のお腹の中には、もう一人、いるんだよ。
凄いね。
なんだか、神秘的だった。
あの日、一緒に過ごしたあの子の、お腹にはひとつの生命。
もう動くのがわかるほどなんだって。ってことは、もう形は出来てるんだよね。
その子が大きくなって、生まれて、ボクらと同じ道を、違う歩き方で歩くんだね。
今まではそれを見てもらう側だったのに、これからどんどん、見守る側になる。
そう思うと少し怖いけど、とても素敵なことに感じるの。
あの子の子供が生まれたら、きっとあの子に似てるよね。
あの子の血が流れてるんだって、実感して。
その子が育っていくたびに、あの子にもこんな時期あったなーって。
ねえ、待ち遠しくてしかたないよ。
凄く、凄くどきどきする。
生きていくって、そういうことなんだね。
たくさんの出会いを目にする。
それってとても、素敵なことだよね。
……ねえ。
キミとは今度、いつ会えるかな。
早く、貴方に逢いたいです。
――きっと、もうすぐ。
貴方のもとへ。
(あ、お腹蹴った…)
(早く、生まれておいで――)