ねぇ、忘れらんないならさ、
忘れらんないままでいいじゃん。
勝手に埃を被っていく思い出を、
無理に触って壊さなくていいじゃん。
つらかったことは、つらかったこととして
必ず報われるんだよ。
幸せに変わることはないけれど、
そのままの形でちゃんと救われる。
今、忘れられない人がいるなら、
どうかその心を優しく包み込んであげて。
治そうだとか、壊そうだとか、
そんなことを思わないであげて。
忘れられないほど大事な人のことを
忘れられなくなった自分ごと
消してしまわないで。
思い出せなくなったら、
自分も何処かへ行ってしまう。
あの日を過ごした思い出が、
一体誰のものだったのか。
それさえ消えてしまうんだ。