英語の例文に飽きて、電車の心地よい揺れに身を任せ目を閉じる。
微睡みの中で思い出す。今日みた夢のことを。
なんだか
あたたかくて、
やわらかくて、
やさしくて、
あいされて、
さみしくない、
しあわせな夢をみていたような気がする。
内容はどう記憶を辿っても出てこない。
でもとても満たされたことだけは覚えている。
目覚めてからどうしようもない孤独感に襲われたのも覚えている。
現実の私だって、孤独じゃないのに。満たされているのに。
そんなことを考えながら、駅のホームに降り立つ。
改札に向かうエスカレーターで涙が出てきたのは、睡眠不足が引き起こしたあくびのせい、ということにしておこう。