「では、まず身支度をしましょうか。
これで旅はちょっと無理がありますし。」
ルジアちゃんが皮肉めいた顔で言った。
確かに僕はこの服でここまでたどり着いたが、
地元民(?)は普段着だ。
ルジアちゃんに至っては、
仕事用のスーツをかっちりと着込んでいる。
「おーけぃ!オシャレしてくるね!」
「オトハ、丈夫で動きやすい服を
着て来いという意味だと思うぞ。」
話す声が遠ざかっていく。
みんなが離れると、少し体感温度が下がった。
「…ハクシュンッ」
小さく くしゃみをした。
「あ、ノアさんもお店入りますかー?
雪の中じゃ寒いでしょうし!」
「うん、お願いしようかな。」
そう言って、
頭に積もった少量の雪を払い落とした。
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再びそこに全員が集まった時、
ドラゴンの体は少し無くなっていた。
魔力を持つ生物は魔力の源である
『魔石』を取らずに放置しておけば、
一晩程度で、魔石を残して
綺麗さっぱり消えてしまう。
「え、オトハの荷物多すぎやしないか⁉︎」
「これでもめっちゃ減らしたんだけど⁉︎」
私はベアトップの黒いワンピースに、
黒色のマントを羽織って来た。
脚にはこれまた黒のブーツ。
防寒も大切だ。
他にも、剣を扱うオトハは学校制服に剣帯。
アレックスは白衣の下に爆弾や
毒入りの試験管を仕込んで来たようだ。
……この辺りの学校制服は、
ちょっとやそっとの戦闘では
破れないようになっている。
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「ところでルジア姐は何持ってきたの?」
オトハが、私のカバンを覗き込みながら言った。
『無限収納』という魔法がかかったそれは、
中を見ても闇が広がるだけだ。
「えーと、着替え と 財布 と 武器くらいかな。
落ちたら返って来れなくなるから、覗き込むのやめなー?」
「ヒュッ」
喉から空気が掠れる音をさせて、
オトハは背筋を伸ばした。
「冗談だって」
「変なこと言わないでよー!」
「そうですよ。
オトハに何かあったらタダじゃおかない。」
「なっぱは入ってくるなって」
ユルい空気になってきたが、
我々はそういう事をしている場合ではない。
「えーと皆さん、
今からこれからの計画を話しますので、
よく聞いてください。」
8つの目が、こちらに集中した。
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名前 ルジア・ブラック
性別 女性
年齢 24歳
種族 魔族
身長 162cm
魔法 使用不可
属性 ×
職業 武器鑑定士
好き ケーキ、コーヒー、お酒(割と酒豪)
嫌い 武器を乱暴に扱う奴(見てられない)
趣味 武器収集、武器鑑定
家族構成 父、母、兄、姉(双子)、ルジア
(あと、下に腹違いのきょうだいがたくさんいる。家が家なもんで。)
容姿 ピンク混じりの銀髪を後頭部でお団子にしている。右目はピンク色、左目は濁った黒色。
詳細 16歳の時にシアグロ王国から追放された元王女。魔族だが魔力を持たず、魔法を使うことができない。