同仕様もなく苦しかった。同仕様もなく辛かった。なぜだか、傷がないと生きられなかった。傷がないと不安で、でも傷付くことを恐れて。でもそれ以上に、幸せが怖くて。ちぐはぐな心をどうにか抑える為に結局は傷を作るのだ。切れた皮膚から流れる血を見て安心する。生きていることを実感して、まだ明日を生きられると決意をして。そして隠して生きていく。明日に怯えて生きていることに疲れて、何に苦しんでるのか分からなくて流した涙も、服のしたに隠された傷も。
元気なら、良い。そうすれば皆何も気が付かない。それで良い。それが良い。悪意ばかりしか拾えないけれど、優しさだって拾えるようになりたかったけれど。諦めることが大事だって知ってる。大切な事だということも。過度な期待や高すぎる理想が破滅を導くことも。だから、助けは求めない。それが一番だと本気で思っていた。
「大丈夫だよ。良いんだよ、間違ってないよ」
突然、分かった。これが欲しかったと。
初めて知った。自分が何を欲しがっていたのかを。許されたかった、肯定してほしかった。傷がないと生きられないことも、どうしても過去のせいにしてしまうことも。ただ聞いてほしかった。相槌を打ってほしかった。褒めてほしかった。偉いねと。頑張ったねと。抱きしめて、頭を撫でてほしかった。それだけが欲しかった。生きていることを、認めて欲しかった。思った以上に、あの言葉が自分の心を殺していたことを知った。トラウマになっていたことを知った。『皆死ねばいいと思ってる』何とも思ってないと思った。でも、自分は思った以上に傷ついていた。だから、生きてることを認めて欲しくて、誰かに自分を必要として欲しくて、誰かに自分を求めて欲しかった。
いつか、来るだろうか。誰かに私は求めてもらえるだろうか。愛して、抱きしめてくれるだろうか。いつか、そんな日が来るまで、生きていられるだろうか。死んでしまいたいと、望まなくなる日が来れば良いのに。きっと来ない。死にたいは呪だ。一度陥ったら元には戻れない。死ぬまでずっと、死にたいままだ。