初小瓶です
~親父~
ガキの頃親父は絶対的な存在だった
キャッチボールをすれば見たこともない変化球を投げてきたり、腕相撲では両手でも勝てなかったり、北斗の拳みたいな武勇伝を聞かされたり・・・
親と離れて暮らし社会に出て自分も色々荒波に揉まれた
たまの里帰りで親父と杯を交わす
相変わらずの武勇伝を改めて聞くと「そんな事何十年も自慢してんじゃねぇよ」と腹の中で哀れむ
大人になってみると「大した人間じゃねぇな・・・親父」と、つい鼻で笑ってしまう
また数年経って自分は更に修羅場をくぐり辛酸味わい自分でも一皮剥けたと思えるようになって、また親父と飲む
親父は九官鳥のようにいつもの自慢話を始める・・・だが今度は何故だろう、笑顔で親父の話に頷いてる
「こんな親父でもここまで育てて来てくれたんだよなぁ・・・ありがてぇなぁ・・・」と腹で思いながら感謝で武勇伝を聞いている
ありがとう親父 やっぱり俺には絶対的な存在だったわ