頭上で聞こえる合唱曲、それは自分のクラスのものではなかった。
シャーペンを握る手に力が入る、もう片方の手のひらに、爪がくい込む。
声にならない声が溢れ出しそうで、歯を食いしばった。
無様に、涙が、止まらなかった。
直後はプレッシャーに押しつぶされてペタンコになった心も、ストレスでボロボロになった体も、すべてが癒えた気がした。
でもそれは気のせいだった。
今は悔しさと虚しさが心を満たしている、なのに、空っぽな気がする。
目の前で、後ろで、はしゃぐ声がする。
おめでとう、そう素直に言えない。
良かったよ、口が動かない。
ただただ、下を向いて、なるべく口を聞かないようにした。
笑えない、笑えないよ。
だってもう、次は
な い の だ か ら 。