私が泣くと、野苺のアメをくれた
「特別だよ」って
皆みたいに学校に行けないから、お兄ちゃんが私の先生。
お兄ちゃんは中学生だったから、皆と遊んでくれた。
真っ白の部屋と、窓の外の景色。
優しいお兄ちゃんと友達、弟達
消毒の臭いと野苺の香り
大好きだったお兄ちゃんは手術をして、何も言わないで退院しちゃった。
寂しくて泣きたかったけど、弟達が泣いちゃうから。お兄ちゃんのかわりに私が笑わなきゃ。
やっと私の番になった。
世界中には順番が回って来る前に死んじゃう人もいるらしいってお兄ちゃんが言ってた。
手術ってこんなに怖いんだね
麻酔が抜けて目が覚めた時、お兄ちゃんが居た気がした。
パパとママが私を見て大泣きして、私も安心していっぱい泣いた。
新しい私の心臓。お兄ちゃんにそっくりな人が訪ねて来てドキドキしてた。
野苺の香りがしてとっても懐かしいけど、彼はお兄ちゃんの弟だった。そっくり。
柔らかい笑顔も、白い肌も、左右逆の涙黒子も。
新しい心臓が破裂しちゃうくらいにバクバク動いてた。
だって、お兄ちゃんが死んでたなんて
酷いこと言うから。お兄ちゃんの手術が失敗したなんて言うから。
私だけが知らなかった。先生もパパもママも知ってて教えてくれなかった。
私が悲しむから?
私が手術を怖がると思ったから?
私、教えて欲しかった
野苺のアメを舐めると、今でもお兄ちゃんを思い出す。
少しの酸味と、優しい甘味
世界中には順番が来る前に死んじゃう人も、順番が来ても生きられない人がいる
苦しくて泣くと、上手くいかなくて怒ると、嬉しくて楽しくて大笑いすると、野苺の彼が近くに居ると、私の心臓は大きく動く。
私の心臓は動いてる
私は生きている
せっかくのチャンスは一度きり
酸っぱくて、甘い人生を
大事に味わって生きる
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ななしさん
なんて言ったらいいのだろう。
その力強いあたたかい言葉に
励まされました。
命のレクチャーを有難うございます。
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