あたしが勉強しない理由。
それは、勉強してもなりたいものになれないのがわかってしまったから。
ほんとは西洋美術の保存技術を学びたい。
美術館に行って絵を見るたび、絵に触れたいと言う衝動にかられる。
だけど、それを職にできる確率は少ない。その経験を生かして学芸員になれる確率も少ない。そう、だいたいがほかの道に進むのを余儀なくされる。
学ぶことができれば、それで満足。ほかの道に進むことになってもかまわない。
それを知った親は、無難に国公立大学に進めようとする。その理由は簡単で、自分たちと同じ公務員や看護婦になるのを望むから。
だけどそんなの嫌だ。あんたら親と同じ道を進みたくない。そう思って、高校も無理矢理親と違うところにした。
なんで駄目なの?今までいうこと聞いて、勉強してたのに。
たしかにうちの家は暮らしに困ってない。思う存分勉強して、何不自由ない生活が送れる。だからわがまま言ったら駄目なの?いろんなやりたいこと我慢してるのに。
だから反抗して、勉強しない。今日も帰宅してからすぐに部屋に閉じこもり、何をするでもない。ただ不安に包みこまれる。ああ、あたし、どうなってしまうんだろ。
だから勉強せずに学力をわざと落とし、せめて留年しないようにする。通知表が届くたびにうるさくなるけど、もうどうでもいい。
西洋美術は2番目にしたいことで、ほんとはバンドがしたい。今も親に隠れてしてるけど、ほんとは音楽の専門学校に行きたい。だから学力をさげて、そこにしか行けなくなろうとしている。
大学に行ったらバンドするとは言ってるけど、行きたい大学にいけないならしかたない。家を出れば自由にバンドができる。ほんとはこそこそしてるのなんて嫌。
だけど無理みたいだ。勉強してなくても無理矢理通わせられてる塾のおかげで、ふつうの大学に行けるくらいの学力がついてしまったみたいだ。ふつうに授業を受ければ得意科目なら平均点がとれてしまう。
こうやってしか親に反抗できないあたしって幼稚ですか、ただの子供ですか、わがままですか。
はけ口がなかったから、こうやって宛メに流せてよかった。すっきりした。最後まで読んでくれてありがとう。
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