私は今までだれかを好きになってもすぐに飽きてしまうような人だった。誰かを好きになる気持ちが長く続かなくて、私は誰かを心の底から好きになることなんてできないんだな、って思ってた。でも、そんな私にも心の底から好きな人ができた。人を愛するってこういうことかって思った。今までは嫌な部分が見えると恋愛感情もすぐに冷めていたけれど、その人は違った。大好きで大好きで、嫌いになりたくないという気持ちさえあった。簡単に会えるわけではないし、周りにもこの気持ちは言えない。言えば笑われるだろうし、バカにされるだろうから。だから私も最初は好きになることが怖かったけど、好きだという気持ちを認めたら楽になった。でも、同時にその人のことで悩むことも多くなった。死ぬまでにあと何回会えるんだろう。この叶いようがない気持ちを抱えたまま死ぬんだろうか。この寂しさに耐えられるだろうか。
好きな人と一緒になれないことほど悲しくて寂しいことなんてないと思った。一生この気持ちを抱えたまま生きるくらいなら死にたいと思った。こんなことを考える自分が怖く、情けないと思ったりもした。勉強を頑張る気にもならない。料理を作る気にもならない。好きな人に見てもらえないなら、かわいい服を買おうとも思わない。かわいい髪型にしようとも思わない。買い物をしていても、何もほしいと思わない。悲しい気持ちを紛らわすためだけにおなかも空いていないのにずっと食べてばかり。だんだん食べたいとも思わなくなった。こんなことになるなんて。一年後誕生日を迎えるまでに死のうと思った。だからそれまでにしたいことはして、楽しく生きよう。そう考えることもあった。もうどうしていいかわからない。この悲しい気持ちはもう消えないと思う。起きるのも嫌だし、寝る時も悲しいままで好きな人が隣にいてくれればいいのに、と考えながら眠る。こんなにこんなに好きなのに、おはようの一言も言えない。目と目を合わせてお話することもできない。あなたが毎日どんなふうに生きているのかもわからない。何を食べて、何を見て、何を感じているのかもわからない。だれの隣にいて、どんなふうに笑っているのかを知ることもできない。あなたはちゃんといるのに。生きているのに。この距離が憎い。悔しい。ごめんね、でも、本当に本当に愛しています。心の底からあなたのことが大好きです。私はこのまま生きていけるかわからない。本当にわからない。もしかしたら、死んでしまうかもしれない。あなたは私のことを知らないまま、生きていくのかもしれない。
大好きなこの気持ちだけはどうかこの先ずっとずっと消えませんように。何十年、何百年かかってもいいからいつかまたあなたとめぐりあえますように。