落ちた。
沈んだ。
沈んで落ちた。
足が着いた。
ここが、底ってやつなのか。
周りは一面壁みたいになってて。
上方にぽっかり、穴。
「随分高いところから落ちてきたんだなぁ」
周りを見渡す。
誰も、いない。
壁には取っ手も、凸凹も、ない。
「これじゃ登れないじゃん」
足元に目を向けてみる。
1歩先には大きな穴がある。
底が見えない、真っ暗な穴。
大きな大きな穴。
「落ちないようにしないと」
そう思いながら穴を覗き込んだ。
背中を押された。
周りには誰もいなかったはずなのに。
身体が傾いた。
突き落とされた。
ああ。
落ちる
落ちる
落ちる
落ちる
沈んでく。
こぽこぽ。
これ以上落ちないと思ってたのに。
こぽこぽ。
僕はどこまで落ちるんだろう。
僕はどこまで沈むんだろう。
こぽこぽ。
頭痛いな。
はっぱ