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そして無理矢理前を向いた。
転んで擦りむいて血が流れた。
それでも笑った。
口角を上げて目を細めた。
私は笑った。
仲間は皆倒れていった。
死んだ目をしていた。
使い古された雑巾の様だった。
汚れていた。
元々は真っ白だった気がした。
私も薄汚れてほつれていった。
それでも走った。
汗が目に入っても走った。
拭う暇も布もなかった。
「けど少し疲れちまったなあ。」
ああ3秒のロスタイムか。
また走らねば。
3秒の休憩。
私はまた走れる気がしてる。
人間は意外と強いんだなと思う。
前を見れば友達が先を走ってる。
日が照りつける。
暑い。
今私は幸せ。
だからまた走る。
私の足は少し傷がついている。
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