幼い頃、近所にピアノの上手いお姉さんがいた。
そのお姉さんに可愛がってもらっていた私も5歳の時に、お姉さんに憧れてピアノを始めた。
そのときはもうお姉さんも私もそこを引っ越してしまっていた。
お姉さんの家にあったようなグランドピアノは買えなかったけど、お母さんとお父さんが素敵なピアノを買ってくれた。
幼稚園の頃の夢はピアニストだった。
そのままピアノだけに夢中になって、大好きなままでいられたのなら、私はピアニストになれたのかもしれない。
なれなくても、ピアノの先生や音楽の先生になったかもしれない。
可能性を潰したのは自分自身だった。
他の楽しいことを見つけては投げ出した。
大人になるにつれて本当に好きなことがわからなくなってしまった。
本当にやりたかったことはなんだろう。
今立っている場所をみて、自分が迷子のまま何年も過ごしてきたんじゃないかと感じてしまった。
名前のない小瓶
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お返事が届いています
ななしさん
何がやりたいのかではなく
生きてるうちに何ができるのかです。
根本的なことですが、ここを履き違えると迷路から脱け出せません。
幼いころにお姉さんから頂いたものはなんですか?
真心に共感してお姉さんのようにピアノがしたくなったからではないですか?
どんな仕事でも大事なのは『心の共感』です。
相手の心に響けば売れます。響かなければ売れません。
簡単なことです。
響かせたもん勝ちですよ。
限りある命と命なのですから。
少なくとも自分という存在は相手の記憶に残るのですから。
ななしさん
迷子って、悪いだけじゃないと思う。
迷子にも、きっと良いところがあるはずだから。
ななしさん
人生では、自分の思い通りに生きるとは限らない。むしろ、思い通りに行かないことが多い。
普通は確かに、自分のやりたいことを大事にする。ただ、それが若いうちに見つかるとは限らない。人によって生きる人生は違う。他人に憧れたからといって自分もそのような人生を生きられるとは限らない。やりたいことを求めることも大事だが、その前に生きるための前提にも気を配った方がいいと思う。規則正しい生活とか、栄養に偏りのない食事をするとか、適度な運動をするとか、自分の身の回りのことをできるだけ自分で出来るようにするとか、そういうことも大事だと思う。それらを馬鹿にしていると、先々それらからしっぺ返しを受けることになる。自分がそうだから。
やりたいことがわからないのならば、確かに色々なことをやってみるのもいい。けれども、色々手を出しすぎてわからなくなってしまうこともある。自分が混乱している感じかも知れない。
たとえば、天職とか、やりたいこととか、そういうことを若いときは考える。夢を追いかける。そのとき、学問ということではなく、職業ということで、ウェーバーの『職業としての学問』を読んでみるのもいいと思う。ただ、あなたが今までやってきたことは、無駄ではないと思う。今はそう思うかも知れないが、先々、役に立つと思う。
やりたいことがわからなくなって、結局いつもの自分に戻る、そんなことがあるのかも知れない。でも、自分を整えておけば、混乱したときに戻れる自分がある。自分を見失わないということだが、それが結構難しい。混乱したら一呼吸おいて、それから距離をおいてみるのもいいと思う。自分がおかれている状況を客観的に見るのも大事だと思う。
情熱を傾けつづけることを求めるのも若いということなのだと思う。情熱を傾けつづけるのがやりたいことなのだと思っても、肝腎の情熱が続くとは限らない。情熱が続かないからそれはやりたいことではないのだと思いたくなると思う。とにかく続けられること、そしてとにかく続けること、それでいいということもある。続けられることを続けることで見えてくるものもある。それでその楽しさがわかることもある。
余りよく考えないで、何となく長々と書いた。この辺で書くのを止める。
ななしさん
お気持ちなんとなく分かります。本当の自分ってなんだろうな?ってわたしも考えてます。私の場合頭で考えすぎて、感じるのを疎かにしていたら、何だか違うなってなってました。背伸びし過ぎたんですね。何かを頑張る時は、自分というものがちゃんと『ある』状態であることが大切なんだそうです。それは、自分はこういう人間で、このレベルだけども、鍛える為に、これだけやっていると自覚があると。また自分が精神、体力的にどれ位無理をしているか分かっていることが大事らしい…というのを、ある精神科の先生が言っていました。また、何かを頑張って、それで張り合いを感じる事が出来るというのは、健康な精神が基にあってできるそうです。なので、つらい時は無理せず、先ずは規則的な暮らしをして生活を充実させ、何かに少しでも小瓶主様の好奇心が湧けば、それを否定せずに、ワクワクの方向へ行くと良いようです。それから、自分にとって『心地良い』感覚をつかみ、増やしてみると。あとは、色々な興味があって、気分屋という性質の人も居るので、そういう人には、無理せず気分屋という素質を否定せず生きると、素質は変わらなくても波の揺れ幅が小さく
なるそうです。最後に、何か感情が出たらそれを感じ切ることが大事らしいです。以上参考までに。
以下はまだお返事がない小瓶です。
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