砂糖菓子のような
口当たりだけがよい美辞麗句を
まき散らして振りかけて
もし喜ばれても
そんなの誰のためにもならない
裏切っているような
嘘をついているような
罪悪感と不完全燃焼
憎まれても
自分にとっての大事なことだけは
そういう態度こそ非礼だと思ったから
八つ裂きにして
丸太にくくりつけるつもりなんかない
炙って笑って火の周りで
フォークダンスするつもりなんかない
私のちっぽけな自尊心を守ることと
単純にあなたの先行きが不安だった
余計なことはしないで、と
きっと私なら思うこと
全部失う覚悟が出来ず
夜明けまで
ポスト投函できなかった
それから日めくりカレンダーを
二、三枚めくるころ
あの場所でよく見かける
名も知らぬ顔なじみと同じような目線で
私はあなたを見ていた
そこにはもう
いつかの砂糖菓子の残骸もなく
ざっくばらんにテーブルを囲む
明日も晴れた空に会えるよう
共に、それぞれの場所で
また目覚めることだけを祈った
背中に翼は生えなかった
ペガサスにも天使にもなれなかった
だけど、あの時よりは
丹田あたりが堅くなった
人に生まれて、人で終わるから
そっちのほうが
きっとちょうどいいんだと思う
手が冷たい
まだまだハンドクリームの季節
ご自愛下さい。