なんとなく書いた系。
コートを着て街を歩くのは好きだけど
何枚かレイヤーを間違えてるみたいに
僕は僕一人だけで歩いている
冬が終わるのに僕の体温はちっとも暖まらない
見当違いの天気予報を信じても空しいので
そういうものかと納得している
街の片隅の神社には誰も居なくて
張り詰めた孤独は少し心地よい
自分の中にしか自分は無くて
君の中にしか君はいない
だけどその形を伝える事もできないなら
それは実在しない
僕が懸命にそれを書き起こしたとしても
誰も読まないのならそれは存在しない
誰かとつながる事でしか
自分は自分としてそこにいないし
君は君としてここにはいない
分かったようなフリをして
何かのコピーになっても意味ないな
本当に誰かを分かるのは難しくて
ひそかに憧れてるところは
気付かぬ間にまねしている
借りてきた辞書のどこにも
僕らの名前はないだろう
赤いペンで落書きしてやるんだ
僕は一人で居たいんだ
僕はみんなと居たいんだ
分かってくれるかい
単純な数式のように
誰かに依存するだけじゃつまらないだろう
自分の形を伝えるための
新しい言葉を探しているだけだ
不器用なカメレオンのように
ぎこちなく色を変えて歩いている
眠っている間に見る夢はただ
都合の良い物語だから
甘い飴の食べ過ぎで虫歯にならないように
ある日目を覚ました僕は
コートを手に玄関へ向かった
冬の刺すような痛みも
春の柔らかな日差しに癒されるから
夏の平等な厳しさにも耐えられるだろう
秋の透き通る寂しさを感じながら
また春を待っているんだ
鈴を鳴らして
僕は祈った