ころころ、ころころ
これは言葉で遊ぶ音
言葉であそぶって、
楽しいけど、
淋しくなる時がある。
それは、ことばであそんだって、
あそんだ本人しか
わからないものが多いから。
そんなあそびの断片を
少しだけこっちの世界の言葉で
伝えたって、あいてには
少しも理解して貰えないのだろう。
かんがえをまわすとき
どうやったって私は一人で
言語外の何かで、
物事を考えている。
それこそ、煙のような、
もわもわしたもの。
存在がどうとか、
死がどうとか。
そもそも考える、ということ自体が
大きな謎である私にとって、
考えるということは
たのしくてたのしくて仕方がない。
且つ
こわくてこわくて仕方がない。
だって、底がないから。
いつだって足元は、
押し入れの黒に吸い込まれていく
そのアースの役目をしてくれる、
大事な月が見えないことには
どうにもこうにも
生きていけないらしい。
月のあかりのおかげで
なんとかこの世の中がみえる
なんとか考えることを忘れて、
普通を過ごせてる。
そんなこちらの世界で、
なんだか面白いものをみつけた。
小瓶を、流す。
なんとまぁ、洒落ている。
そう思い
今日もまた
言葉の蛇口をすこしひねって、
浅葱色の瓶にいれる。
私が海に流した小瓶、
こんなものが誰かの心に届くだろうか
いや届くはずがない。
海は、あまりにも広すぎる
追伸。
私の小瓶は、
どうしてだか言葉が足りない。
たた、それを埋め合わせる
言葉が存在しない。
この言葉がわかる方、
またいつか心の世界でお話しましょう
ななしさん
最近思い出したんだ。
小さい頃のふとした瞬間。
眠れなくて目を閉じてみると、闇の中に模様が浮かぶの。
それは最初小さい粒なんだけど大きな輪郭になっていく。
これが楽しくて何度も瞼を開け閉めしてた。
それと、こたつの中に全身丸めて潜っていると、赤い光が「カン…」という音が鳴り消えて真っ暗になっていく。
そこで自分は小人になり大きな洞窟を探検している想像をする。
家族と喧嘩した時、夜にこっそり抜け出して近所の階段の頂上に座って、ひたすら月を眺めてた。月は何も言わない。
そして現在。
何か今まで忘れていた何かを思い出した気分で、ベランダに出て外を眺める。
鳥が木から木へと飛び移る。木の下に蚊柱が陽に照らされて舞っている。
背伸びをする子供のように緑は上へ上へと向かっている。まるで上に行けば空気がいつか無くなることなんて知らないように。
雲はゆっくり遠くへ行く。
洗濯物が揺れている。
言葉に出来ないって思った。
この時の感情に当てはまる言葉が見つからなかった。
人間は自分が世界の一部だと感じると、言葉を忘れてしまうのかもしれない。
ただ感じることに集中していた。
その時を。
ただ忘れたくないと願った。
皆の中にある何かを。