憎い。憎い。全てが憎い。
じゅうぶん恵まれてるのに「全て」なんて誇張して言う自分も憎い。
元彼が憎い。口だけ男。覚悟の無い男。足りないくせに自分は賢いと思ってる勘違いっぷりが憎い。
私に性病という傷あとを残した元彼が憎い。
私のことが好きだから。大事にしたいから。そんなことばっか言って自分に酔っちゃってるだけの男。きっといまだに。
きもちわるいきもちわるいきもちわるいきもちわるい。
どうして。
初めてだったのに。人を利用してやろうとか、こいつは傷つけてもいいとか、そんな付き合い方したこともないのに。
どうして。たった一人との恋愛で、こんなふうにならなきゃいけなかったの。
元彼のこと、最初っから全然好きじゃなかった。
だけど真剣に向き合った。傷ついても、面倒になっても。
そうやって向き合っていけば、私にももう一度恋ができるのかもしれないって思ってたのに。
それは、恋をしにくい私の、精一杯の抵抗、希望だったのに。
むかつく。むかつく。本当はわかってる。自分がむかつく。嘘だ。あいつが憎い。
全部を否定されたような気がした。
生き方全てを。
私を縛りつけるドロドロに腐った初恋から逃げ出すために。前を向くために。悩んで、苦しんで、踏み出した一歩たち全てを。全部、ボロボロに引き裂かれたような気がした。
傷つくことしか無い。
傷つくために生きてるみたい。どんどん自分がだめになってくために生きてるみたい。
呪いみたいに本当に欲しいものは手に入らない。
汚くなってく。肌も、身体も、心も、ぜんぶぜんぶ。
このままどんどん枯れてくみたいな予感が止まらない。
好きな人なんかできない。
汚くて、浅ましい人ばっかり。
ぜんぶぜんぶ嫌だ。憎い。
わかってるよ。誰かを何かを憎いって言うことがどれだけバカなことかなんて。
結局は全部自分で選んだもの。クソみたいな元彼でも。
だけどもう、そうやっていい子ぶるのも疲れた。そうやって誰かに責められないように予防線はって生きるのに疲れた。
そうやって必死に汚い自分抑えたって、幸せになんかなれない。何も上手くいかないんだもの。
憎い。全てが憎い。