どしゃ降りの街を歩いていた。
夜の街に足音が響く。
トンネルに入った時の事だった。
あれ、誰かが後ろを歩く様な足音がする。
何度も振り返るが誰もいない。
はっと思い靴を脱いで見た。
踵にクッション用の空間が有り、そこが磨り減って舌の様にフタが出来て、そこに石が数個入っていた。
こいつの音だったんだ。
幽霊なんて思わなかったよ。
いやいや、絶対に怖いなんて思わなかったよ。
少しだけ、ほんの少しだけだから。
一ヶ月半しか経ってないのに‥‥、明日どこかで買う事にしよう。
何のためなのか分からないけど、
何かが見えるまでこの靴磨り減らし。