高校生の頃は、忙しいのが当たり前だと思っていた。それが充実した生活だと思っていた。
やりたい趣味も、大学生になったら思う存分できるのだ、と思っていた。あの頃は趣味は書類上に示すだけで、やりたいようにできたことなどなかった。
大学生になって、時間ができた。やりたいことができることが、どういうことなのか、やっと知った。
でも、僕は今さらになって、これが本当にしたかったことなのか、わからなくなった。
自分は奔放に生きたいと、幼いころから思っていた。
縛られたくなかった。家族を持ったりして、他人を縛ることもしたくなかった。
高校時代の友人が、早く結婚したいとか、家を買いたいとか、子供が欲しいとか言っていた。
理解できない。
よくわからない。僕の子供時代が健全でなかったのかもしれない。よくわからない。
でも、僕は、父親のようになりたくない。母のような人間と、一生涯過ごすなんてのは考えられない。
一生同じ会社に勤めて、まじめに何十年も働いて、老衰で死ぬ。
世間では、安定した生活が至高、のような風潮があるけれど、僕には理解できない。
別に、そういう人を馬鹿にするわけではないし、そういう人は僕から見たらすごいと思う。
僕にはあんな風には生きていけない。
僕の将来は、少なくとも会社員ではないと思う。そもそもなれるとは思えない。なってもすぐにやめてしまうと思う。
話がそれた。何を考えていたんだっけ?
僕は結局将来、どうなりたいんだろう。
自由奔放に生きて、満足できるのか?
会社員になって、安定を手に入れて、そのあとの死の間際で、僕は後悔するような気もする。
でも、将来僕が、自営業でも何でも、一人で好き勝手に生きて、その死の間際に僕は満足して死ねるのか
よくわからない