家にあったみかん
久しぶりにお目にかかった。
寒い香りがした。
雪だらけの毎日
タイツなんて紙より保温性ないのに
それで外歩かなきゃいけないんだ。
クリスマスが来て
大晦日が来て
新しい年が来て。
時間がいちばんはやく流れる季節が
悲しくて忙しなくて好きではない。
と言いたいところだけど、素敵な日がある。
綿菓子をちぎったみたいな
ふわふわ雪がゆらゆら空から無言で落とされる日。
教室からぼーっと外を眺めるとき
帰り道をゆっくり歩くとき
眠れない夜に窓を全開にして宇宙を仰ぐとき
ふわふわが呑気に降りてくる。
生きていてよかったなと思う。